あいち技術ナビ

2024.03.22

食品技術

【醤油の火入垽の簡易分析】
食品工業技術センター

醤油醸造において、醤油諸味を圧搾して得られる生揚げ醤油は、酵母や酵素を豊富に含むため、殺菌や香味、色沢の調整、溶存する熱凝固性物質(火入垽)の沈降などの目的として、火入れされます。火入れした醤油は、タンク内で数日から数週間静置され、底に沈降した火入垽を除去します。除去される火入垽は醤油の10%に相当することがあるため、醤油の歩留まり向上のために火入垽の生成抑制が求められています。火入垽の原因物質の同定は、その生成過程を知る上で重要であり、製造工程の改善に繋がります。本稿では、火入垽の簡易分析についてご紹介します。