あいち技術ナビ

2023.01.25

計測・分析技術

【結晶方位解析(SEM-EBSD)の広域測定について】
共同研究支援部

 結晶方位解析(SEM-EBSD)は、走査電子顕微鏡(SEM)による分析手法の一つで、セラミックスや金属などの結晶性試料に電子線を照射し、電子線後方散乱(EBSD)により得られるEBSDパターンをもとに微小領域の結晶方位解析を行う手法です。本手法を用いることで、サブミクロン~ミクロンレベルの微小な結晶粒の方位を可視化することができます。一方、結晶性試料の中には100µm以上の粗大な結晶粒の組織を持つ試料も存在します。その場合、SEMの視野内に収まる結晶粒の数が少なくなるため、試料全体から見た定性的な結晶方位の傾向を把握することが困難となります。
 今回は、粗大な結晶粒の組織の方位解析として行った、SEM-EBSDの広域測定事例をご紹介します。