あいち技術ナビ

2023.01.13

機械・材料技術

【カーボンブラックの官能基評価について】
産業技術センター

 カーボンブラック(CB)は、ゴムの補強材や顔料、導電材などとして利用されています。このCBは、製造の際の原料種類や熱処理条件により、表面性状が大きく異なります。表面性状を知るための一つの方法として、昇温脱離(TPD)法による含酸素官能基測定があります。今回は、重質油を原料とするオイルファーネスブラック(試料①)とアセチレンガスを原料とするアセチレンブラック(試料②)の2種類のCBについて、TPD法により脱離したCO2の定量を行いました。結果を図に示します。図から、試料①は試料②と比較してCO2の脱離量が全ての温度域で多いことがわかります。このことから、試料①は試料②に比べて含酸素官能基量が多いと考えられます。